伝統的工芸品「掛川葛布」について
その昔、掛川の山深い滝に打たれて修行をしていた行者が、白く晒された葛の繊維を見つけ、この地の人に葛の繊維を採る方法を教えた・・・。という言い伝えがあるように、遠く鎌倉時代から、掛川ではすでに葛布が織られていました。いにしえの歌人、藤原為相も掛川の葛布にちなんだ歌を残しています。
葛布は、古くは蹴鞠(けまり)の奴袴(さしきぬ)に使われていました。江戸時代に至るとその用途も多岐にわたり、裃(かみしも)地、乗馬袴地、道中合羽などのほか道中土産としても珍重され、葛布産業は城下町掛川宿野繁栄とともにますます栄えたといいます。やがて明治維新を境にしてしばし、裃地、袴地を主用途としていた葛布は需要が激減したものの、襖地用にその活路を見いだし、再び掛川の葛布が特産品として、有名になりました。また、壁紙の素材として、アメリカ、ヨーロッパへの輸出も盛んにおこなわれていました。
ところが昭和30年代以後、外国産の安価な葛布が出回り、掛川の葛布は大きな打撃を受け、残念ながら多くの葛布業者が転業、廃業を余儀なくされるに至ってしまったのです。しかし、伝統を絶やすことなく守り、後生に伝えてゆこうという人々の手によって、今日まで脈々と掛川葛布は作られ続けてきました、現在、掛川市に葛布屋は、当店を含めて数軒が残るのみとなりましたが、優れた工芸品としての評価が各界で高まり、掛川特産葛布製品として全国のみなさまに愛され、しじされて、新たな隆盛を迎えようとしています
葛布角帯
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